塾員インタビュー # 19 [08/12/28]

アルティメット日本代表選手 猪俣紗奈子さん

アルティメットって何?! という人も世間ではまだまだ多いのでは?アルティメット(ultimate)とは英語で「究極」という意味。その名の通り究極のスポーツであるということから名付けられた。バスケットボールとアメリカンフットボールを合わせた様な競技で、フライングディスク(いわゆるフリスビー)を用いる。1960年代にアメリカ合衆国で始まったスポーツで、世界選手権や、クラブチームトーナメントも行われている。

その日本代表選手に慶応義塾大学OGの猪俣紗奈子さんがいると聞き、さっそくアルティメットの魅力について伺った。

■ アルティメット一色の学生生活

―まずは、アルティメットという競技を始めたきっかけはなんですか?
私は中学、高校とバスケ部だったので、入学当初は体育会のバスケ部の練習を見に行ったんですけど、バスケはもう中高生のときに燃え尽きるほどしたので、体育会に入ってまではもういいかなと思って。そんなとき、サークルの新歓でフリスビーを持っている人達がたくさんいたので、興味本位で練習に参加してみました。実際やってみるとバスケに近い部分がいっぱいあって、バスケをやっていたときのことが生かせてすごく楽しいと感じて入りました。

―では入ってみてすぐに活躍できましたか?
サークルだったから周りにはそこまでバリバリやっていない人もいたけれど、自分はずっとバスケをしていたから、周りの人より動けました。最初はそんなに強いチームでもなかったので、1~2年生で結構試合には出させてもらえました。

―サークルの練習は毎日ありましたか?
平日は火曜と木曜に朝練を8時から学校のグラウンドでやっていました。授業があると抜けて、だいたい10時半くらいまで練習していました。後は土日のどちらかで、でも大会が近くなるとだいたい週3~4回くらい練習していました。

―それでも高校のときよりはハードじゃなかったんですか?
そうですね。高校は部活動にすごく力が入っていて、コーチもいるし、ストイックで練習がきつい感じでした。練習時間はバスケ部のほうがずっと短かったんですけど、密度はバスケのほうが濃かったです。アルティメットは楽しみながらする感じで、外なので清々しいし、特に朝は涼しくて目が覚める感じでした。最初は朝練は早く起きないといけないし、本当にきつかったけれど、慣れると逆に練習が終わったら好きなことができるから朝練でよかったなぁと思いました。

―ちなみに高校は附属の高校ですか?
中高はSFCです。大学もそうなので、もう10年間SFCにしか行ってないです(笑)。
中高生のときは早くここから出たいと思っていたけど、高3になって進路を決めるときに、SFCはすごく自分に合っていると思って。学校の雰囲気がのびのびしていて勉強のほうにも興味があったので。

―では、興味があって、環境情報学部に入ったんですね。
高校のときに建築の勉強をしたいと思って、環境情報学部に入りました。建築の授業自体は楽しかったのですが、結局アルティメットばかり優先しちゃっていました。

―じゃあ勉強や遊びよりもアルティメットが中心だったんですか?
勝手にそうなってしまいました。土日も練習してるし、大会とかもあるから、どうしても生活の中心になっちゃって。逆に勉強をもっと頑張りたい人はやめてしまいました。サークルですし。

―それでも魅力があったんですね。
はい。自分からスポーツ取ったら何も残らないくらいスポーツしかやってきていないので。

―実際にアルティメットを始めてみて思ったことはありますか?
ルールがそんなに複雑でなく簡単なので、体力とかはすごくいるけど、始めたときのイメージよりもやってからのほうがすごく楽しいなって思いました。

■行き当たりばったりだけど、周りの人に恵まれています!

―今はクラブチームに所属しているそうですが、社会人になってもアルティメットを続けようとしたのはどうしてですか?
私は引退したら続ける気はなくて、社会人になったら本当にやめようと思ってました。仕事も大変だし。でも世界大会が今年の8月にあって、その代表の選抜戦がちょうど4年生の5月くらいから始まって、それを受けたらトントンと決まったので。でも決まった後もやるかやらないか迷っていました。だから世界大会が終わったらやめて、チームはどこにも入らないでいいやって思ってたけど、社会人チームの先輩に、やるんだったらチームに入りなさいって言われて今のクラブチームに所属しました。

―じゃあ就職活動のときは、アルティメットを続けることを条件に活動していたわけではないんですね。
就職活動のときには一応まだ選考の途中だったからわからなかったけど、土日は休めるほうがいいなとは思ってました。

―どうしても大会などで仕事を休むときもありますか?
世界大会のときは2週間くらい休みました。私の勤めている会社自体もともとスポーツが盛んで野球部やラグビー部もあります。上司もすごく理解のある人で、その上司も若いときには野球部だったからスポーツに対する理解はすごくあるので、積極的に休みを取る方法を探してくれました。すごく応援してくれるから、居づらいとか、申し訳ないというのはあまりないです。仕事の周りの人に恵まれたなと思っています。

―これからもずっと続けていきますか?
行き当たりばったりだからわからないけれど、子供を産んでも続けている人も結構いるので、できる限り続けたいと思ってます。

■ チームでは…クールなイメージ?!

―チーム全体はどんな雰囲気ですか?
体育会系の人が多いので、すごく明るくて若いですね。チームには30歳の人もいるけど、30歳になっても同じように運動しているってすごいと思います。

―今のチームでは自分はどんなキャラクターですか?
実際どう思われているのかはわからないけれど、たぶんクールなイメージを持たれています。でもチームの中では年下のほうなので、すごくいじられています(笑)。

■ 日本代表だけど、お金は自腹…!

―アルティメットを続けていて良かったことは?
良かったことは他のスポーツは競技人口が多くてなかなか上を目指しにくいけれど、アルティメットは競技人口が少ないからこそ逆に、他のスポーツだったら経験できないような経験ができることだと思います。そんなに簡単ではないけれど、他のスポーツに比べたら輝ける場所が作りやすいと思います。

―では逆につらかったことは何ですか?
大会に行ったときにスポンサーがいなくて、寄付金も全然出なかったんです。他のスポーツなら、日本代表だったらスポンサーがついて寄付金も配給もあるけれど、普段の合宿や、大会なども全部自腹だからお金がかかります。

―世界大会に行って新たに発見したことはありますか?
外国の人って、手足が長くて大きいから、そういう相手のときにいかにして日本の武器を出していくかが楽しかったです。

―アルティメットにおいて、日本の武器とは何ですか?
やっぱりスピードですね。日本人はちょこまか動ける。それに対して外国人は、一概には言えないけど、高さを生かしてくると思います。

■ 学生時代には好きなことを!

―今の学生に何かアドバイスはありますか?
学生のうちが本当に遊べる時期だって自分が社会人になってみてすごく思います。本当に好きなことを学生の間にしておいたほうがいいと思います。

―学生時代にやっておくべきだったことはありますか?
合コンかな(笑)。大学生になったら一度はやってみたいと思ってたんですが、なかなか機会がなかったですね。

―今でもサークルに顔は出しますか?
はい!夏も行ったし、逆に日本代表の見に来てくれたりもするから後輩とのつながりは卒業してからもあります。

―大学のサークル時代で一番思い出に残っていることは?
私が入ったころは本当にチームが弱くて、1次予選に勝たないと次の2次予選に進めないのに、1年のときは2次にも進めないような弱いチームだったんです。でも4年のときに一番大きい大会で全体で4位にまでなれたんです。そのことが一番思い出に残っています。

■ これからのこと

―これから目指している目標は何ですか?
今回全日本の大会では、決勝で負けて準優勝だったので、来年の大会では優勝したいです!

―アルティメット以外に興味があることは?
今はアルティメットばかりなので、これから見つけたいなと(笑)。江ノ島が近いからサーフィンとかしてみたいですね。

―やっぱりスポーツ系なんですね(笑)。
そうですね(笑)。

ご協力ありがとうございました!

取材:杉尾美幸、田口純子、酒井万里恵
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