体育会水泳部 競泳部門への潜入レポート
新しいコーチに新しいプール?!!今大きな変革期を迎えている体育会水泳部 競泳部門に迫る!
アテネオリンピック代表選手だった森コーチを迎え、150年記念式典でお披露目された協生館の内部にあるプールでの活動と共に、今話題の体育会水泳部。大学生活を輝かせ、ひたむきに頑張る選手とマネージャーに、あなたも心を動かされるはず!昨年12月末の寒さが厳しくなる日吉キャンパスにて練習する水泳部にお邪魔し、コーチとマネージャー、選手にお話を伺った。一度しかない大学生活で何かに一生懸命になりたいと思うなら、是非そのヒントをこのレポートから感じてほしい。
■ある日の練習風景
通常は週6日朝練、週4日午後練を行っている。今回ジャーナル部員がお邪魔したのは、年末の強化練の真っ只中だった。午後7時までは、音楽をかけてのウォーミングアップ。協生館に出来た新しいプールは、50メートルプールと飛び込み用のプールが完備されており、練習では50メートルプールを半分に仕切って使用していた。ウォーミングアップの時間は、選手もこちらの写真撮影に笑顔で応えてくれるなど和やかな雰囲気であったが、メインメニューが始まると空気が一変した。音楽も止まり、選手は何本も何本も絶え間なく泳ぎ、それが何十分も続いている。苦しみに耐えながら、戻ってきてはまた水の中に飛び込んでいく姿は勇ましかった。次第に息継ぎの頻度も増し、ひとかきごとにするようになるも、なおメニューをこなしている。そのひたむきな姿勢に私たちは目が釘付けになった。マネージャーは、選手が何秒で戻ってきたかなどのデータを伝え、コーチも選手に声かけやアドバイスを行う。そして、メインメニューが終わると、マネージャーは選手のマッサージに移り、その他の選手はプールの片づけを協力して行っていた。ミーティングも体育会らしいメリハリのついた報告が続き、突然お邪魔したにも関わらず、ジャーナル部員にも、全員で挨拶してくれた。
■アテネオリンピック代表選手からコーチへ
森隆弘コーチは、2004年のアテネオリンピックで代表選手として200メートル個人メドレー6位入賞を果たし、2008年10 月から慶應の体育会水泳部のコーチに就任された。![]()
―早速ですが、体育会水泳部のコーチになられたきっかけを教えてください。
私は今、スポーツ・アカデミーという会社に勤めておりまして、そこの社長が体育会水泳部のOB会長で、うちの会社で働かないかというお誘いと共に、水泳部のコーチをしないかと誘われました。
練習しかないですね。短所は一人ひとり指導していくうちに改善されていっていると思います。
―選手には直接アドバイスをされているんですか?
仕事があるのでなかなか選手一人ずつに時間が取れないのですが、携帯のメールを活用してコミュニケーションを取るようにしています。メールだからこそ言えることが多くあるんです。
■支え合い、高め合う~選手とマネージャー~
飯田桃子選手(環境情報3年、以下飯田、写真1枚目)とチーフマネージャーの一寸木知佳(ちょっき ちか)さん(文3年、以下一寸木、写真3枚目)にお話を伺った。
■新しいコーチに新しいプールでの練習
飯田:今はコーチが練習メニューを決めています。アテネオリンピックの代表選手を経験しているコーチなので、専門性の高いメニューです。また、その練習の意味を一つ一つ教えつつ指導して下さるので、高いモチベーションで取り組むことができます。
―部の雰囲気は?
飯田:練習するときは集中し、楽しむところは楽しむというメリハリのある部です。うちの部はクリスマスパーティなどのイベントを大切にしているんですよ。誕生日にはバースデーダイブしたり!今シーズンは協生館が出来たので飛び込み台から飛び込んだりしています。同期では、日帰り旅行に出かけたりします。
もちろん、マネージャーと選手は立場が対等です。マネージャーは、ただの雑用係ではなく、マネージャーがいないと部が回らないので、選手と同様になくてはならない存在なんです。
―コーチが来て部の雰囲気は変わりましたか?
飯田:新しいコーチをお迎えして、選手全体に「絶対強くなってやろう」という雰囲気が溢れています。新しいコーチと新しいプールという良い条件が揃ったから、シード権を取っていけるはずだという思いでまとまってきています。
飯田:シード権を獲得したチームは、予選大会に出場しなくても、全国大会の団体出場権が与えられるんです。慶應は、今は全国大会8位入賞で入ることができるシード校を目指して頑張っています。
一寸木:プールができたことの影響は、枚挙にいとまがないのですが、その中で一つ挙げるとすれば、他大学との合同練習ができるようになったことですかね。それはホームプールを持てたということの利点の一つですね。それまでは神奈川大学にお借りしたり、色々なプールで練習をしていたので放浪生活だったんです。主に、日吉の子母口にあるスイミングプールを営業時間前にお借りして練習させていただいていました。私が大学1年生の春に、慶應にあった屋外のプールを取り壊して屋内プールを作るということになり、その間の2年間は強化練をやりたくてもプールを探さないとできない状況でした。このような状況でしたので、精神的に辛いものがありました。今ではプールを使用できる時間も増え、協生館が出来たことで環境は大変恵まれています。
■マネージャー募集中です☆
飯田:マネージャーはいつもそばにいて、選手を観察しているからこそ、選手の特徴を知ることもできます。マネージャーは良くなろうと思ったらいくらでも良くなれるんです。選手に近くなろうと思ったら手段はいくらでもあって・・・。一寸木の場合は、選手の泳ぎに詳しくなろうと思って、上から見ていて気付いたことがあったら、指摘できるようになりました。練習中の選手の成長も一番マネージャーが分かるだろうし、試合で成果が出ると、どの選手に対しても成長に対する感動を感じることができるのがマネージャーなんです。
―マネージャーに求められる資質は?
飯田:漫画『タッチ』の南ちゃんみたいな雰囲気ではだめですね(笑)。元気で大きな声が出る子が良いです!
一寸木:臨機応変に対応できるマネージャーであることが必要だと思います。私も常に、チームが変わればマネージャーのあり方も変えていけるような存在でありたいと心がけています。
一寸木:「出し」と言って、何分で何本泳いでくるというメニューを10秒、5秒前と選手に知らせてあげたり、タイムを取ります。また、選手のマッサージもやります。もちろん試合のエントリーなどの事務仕事もありますしね。今年度は慶應義塾が150年だったので、その関連イベントに駆り出されたりもしました。
―マッサージは勉強されたんですか?
一寸木:本や整体に行って勉強したり、選手に教えてもらったりします。先輩の選手からも、ここをマッサージすると良いとアドバイスを受けたりしました。マネージャーは選手に育ててもらう、というのをこんなところからも実感します。
―新しいコーチが来て、マネージャーへの影響は?
飯田:コーチから専門的な知識を得ることが出来ます。
一寸木:森コーチの関係で、オリンピック代表選手に帯同されたトレーナーの方に直接お話を伺える機会もできました。こうした機会があるため、ただのマネージャーの仕事だけでなく、トレーナーとしての専門的な知識も得られるので、多角的に選手に貢献できるようになりました。そういった意味でやりがいはアップしています。スポーツに関わりたくて、トレーナー的な仕事に興味がある方には、水泳部のマネージャーは最適だと思いますね。
―他大のマネージャーとの交流はありますか?
一寸木:大会でマネージャー同士は、「○○大学の調子はどうですか?」など話す機会が多いんです。自然と知り合いになっていって、最近も仲良くなったマネージャー数人で遊びに行きました。
―マネージャーから見て水泳部の強みは?
一寸木:慶應の水泳部は、ただ速さを目指すだけじゃない。学生主体の水泳部という色彩が強くあるところでしょうか。新しいコーチがいらっしゃったので、どのように慶應の水泳部の個性を出しつつ、強い水泳部を作り上げていくのか、取組み甲斐が大いにあります。新しいコーチ、新しいプールで、今水泳部は大きな変革期を迎えています。
