■ミス慶應コンテスト2006 エントリーナンバー2
竹内由恵さん(法学部政治学科3年)

 脇を締めてあごをガードする。これがボクシングの基本だ。今日の対戦相手は竹内由恵。現役体育会ボクシング部マネージャーという兵だ。軽めのジャブでけん制し、ガードを崩そうとするも際どい質問は全てデンプシーロールでかわされるのではないかという我々慶應ジャーナル編集部の懸念も、終わってみれば杞憂にすぎなかった。なぜなら彼女はレイ・セフォーばりのノーガードでざっくばらんに語ってくれたのだ。ボクシング部マネージャー、ミスコン候補者という2足のわらじを履いてロードワークをこなす体育会系のこの才媛は、意表を突くカウンターパンチで見事に我々をノックアウトしてくれた。




竹内由恵さんのBlogはこちら
http://misskeio2006.campuscity.jp/yoshie/


■ミスコン=カタチ、財産になるもの

―ミスコン出場のきっかけを教えてください
新勧(新入生勧誘)で一年生に声を掛けていたら広研(広告学研究会)の人に声を掛けられたんです。

―声を掛けていたら、掛けられたと(笑)
はい(笑)ミスコンに出るなんて考えたこともなくて、最初は断っていたんですよ。でもせっかくだし自分を磨けるいいチャンスだからと思って出場を決めました。

最初にためらったのはなぜ?
ミスコンを見ていて「何でミスコンに出るんだろう、辛い思いをするのに」って思ってたんですよね(笑)注目浴びることで色々言われちゃうんだろうし。もともと人前に出るよりも、裏方が好きなんですよね。高校のときも学園祭で劇をやったんですけど、私は監督をやらせてもらったり。でも一番大きな要因は部活(ボクシング部)をやっていることですね。ミスコンに出るようになると練習に行けなくなることもあるだろうし、特に私は主務なので10、11月というミスコンが忙しくなる期間は12月の慶早戦の準備でかなり大変な期間なんですよ。だから部活の先輩にも相談しましたね。

―「自分を磨ける」とは?
人前に出ることで自分が他人からどんな風に思われているんだろうって意識するようになって、言うこと1つをとっても気をつけるようになりましたね。例えば「ヤバイ」とか言わないようになりましたね(笑)あとは、スッピンで学校には来れなくなったかも(笑)

―ミスコンで得られるものとは?
やっぱりミスコンってひとつのカタチだと思うんですよね。「私はミスコンに出場しました」というのはカタチとして残るもので、達成感がすごくあると思うんです。5月から11月までずっとやっているわけで、その集大成として三田祭でコンテストがあって、結果がどうあれ、その期間は私の財産となって残るものだと思うんです。





■来た、観た、勝った

―裏方が好きということですが、ボクシング部マネージャーなんてまさにそうですよね?
そうそう(笑)誰かが頑張っているのを観るのが好きなんですよね。中学、高校とテニスをしていたので、もう運動はいいやって(笑)ずっとマネージャーってものをやってみたかったんです。

―サークルではなく、あえて体育会に決めたのはなぜ?
大学生活で「何かしました」と言えるようなところで頑張りたいなと思ってたんです。そしたらやっぱり体育会なのかなぁということで、体育会を考え始めました。最初はボクシングにこだわっていなかったんですけど、ちょうどマネージャーが全員卒業して抜けてしまって、誰もいないんだったら貢献できるし入ろうかなって思ってボクシング部に決めました。

―男だらけのゴツゴツした世界に飛び込むことに抵抗はなかった?
私、ぜんぜんそういうのないんですよね(笑)気にしないんですよ。自分から応募しましたから。よく考えてみたら声掛けられたんじゃないんですよね(笑)ボクシング部のホームページを見て、「誰かいるんですか?」って聞いて急に「来た!!」みたいな反応されました(笑)みんなびっくりしたみたいです。

マネージャーの仕事内容は?
練習は週4日で土日は必ず出なくちゃいけないんです。練習時間は土日だと3〜4時間くらいで、試合が入ると一日中ですね。仕事内容としては練習のときにお水を用意したり、タイムを読んだり、ロードワークの後ろについて行ったりとかですね。あと大変なのは、OBの方へ手紙を送ったりといった事務的な仕事ですね。

―きつい練習に耐えている選手たちをサポートするマネージャーとして心がけていることは?
スランプとか落ち込んでいるときって誰でもあると思うんですよ。あくまでも私はマネージャーで、その人の彼女ではないから、そんなときは相談に乗るというよりも、ちらっとメールで「がんばれ」って送ったりしますね。

―この仕事の魅力は?
選手が試合に勝って喜んでいる姿を見ているとき、ホント幸せな気分になるんですよ。選手が頑張ってきた過程、どれだけきつい練習に耐えてきたかを見てきたから「ああ、頑張ってきたね」ってうれしくなるんです。自分がテニスの試合で勝ってうれしいのは当然だけど、誰かが勝つことがうれしいなぁって思えるようなったのはボクシング部のマネージャーになってから変わったことですね。

―由恵さん自身はサンドバック叩きたいとか思わないですか?
教えてもらったりはしてますよ。構え方とかパンチの仕方とか。でも対戦はないですけどね(笑)

■ホントはアメリカが好き?

―ゼミではEUを専攻しているそうですね?
はい、もともと国際関係がやりたくて。でも、こんなこと言っちゃいけないと思うんですけどホントはアメリカが好きなんですよね(笑)

―EUの敵じゃないですか(笑)
そう、だから言えないみたいな(笑)1、2年生のときはアメリカ研究の授業を取ってたんですけど、3年生になってアメリカ以外の国についても学びたいなと思ってヨーロッパに決めました。

―では、将来は国際関係の仕事に就きたいとか?
特にこだわってはいないですね。ただ、将来的には外国に住みたいなぁって思ってます。イタリアでのほほんと過ごしたり。でも、一番住みたいのはやっぱりアメリカ(笑)









■家族のありがたみ

―あだち充さんの漫画が好きとのことですが、たっちゃんとかっちゃんだったらどっちが好き?
うーん、たっちゃんかなぁ(笑)主人公だからというのもあるけれど。不器用で、頑張っているところをあまり見せたがらないけど、実は陰で頑張ってる人は好きです。あとは自分が好きなことに打ち込んでいる人が好きですね。

―ミスコン、部活、ゼミとかなり忙しそうですが
休日はないですね(笑)1日3つくらい予定が入っていてその予定の間を走っているみたいな感じです。

―まさにロードワークですね(笑)忙しいのは好き?
あんまり好きじゃないです(笑)ほんとは家に引きこもっていたい(笑)あ、でも休日は一人で映画観に行ったりしちゃいますよ。映画大好きです。観たあとに、心がほっとするような家族愛が好きです。家族ものには弱いんですよ。必ず泣いちゃう。

―家族といえばご両親はニューヨークにいらっしゃるそうですが、由恵さんも海外にいらっしゃったとか?
小4から中2までニューヨークに3年間と、スイスに2年間いました。だからすっかりあっちに染まっちゃって、日本に戻ってきたときはかなりカルチャーショックを受けましたね。日本は協調性を重んじるじゃないですか。例えば自分の水を汲む前に、他人の水を汲むというのは外国にはなくて(笑)最初はショックを受けましたね。でもだんだん適応してきて今は純日本人です。まったく外国のかけらもなくなっちゃいました(笑)

―一人暮らしはどうですか?
両親と離れて暮らすのは寂しいです。高校のときは一人暮らしもそこまで寂しくなかったんですけど、年を重ねるにつれて家族のありがたみがすごくわかるようになってきて。特にこれから就職活動とか不安になることが増える時期は、誰かに傍にいて欲しいので最近は家族と一緒にいたいって思うことが多いですね。いたらいたであれこれ言われて「わー」みたいな感じになるんですけどね(笑)

■余裕のある人

―由恵さんが目指す女性とは?
ありきたりかもしれないけど、どんなときも人を思いやれる余裕がある人になりたいです。忙しいときって自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃうから、なかなか周りに気配りができてないけど、そんなときでも気配りができている人って素敵だなぁと思います。


ミスコン候補者なんて敷居が高いと思っていた。だけど竹内由恵は普通の女の子だった。そこにいたのは僕らと同じく勉強や就職活動に悩む学生だった。将来は自分のしたことに対して大きなレスポンスがある仕事がしたいと語る彼女はマスコミにも興味があるとか。近い将来、彼女が作った番組、いや、彼女自身をお茶の間でお目にかかれる日が来るかもしれない。

■竹内さんから読者の皆さんへのメッセージ(動画)

▲竹内さんメッセージムービー
(再生ボタンを押すと再生します。音量にご注意ください。)

関連リンク

慶應義塾体育会ボクシング部
http://www.geocities.jp/keio_boxing/
慶應義塾広告学研究会
http://www.keioad.com/top.htm
ミス慶應コンテスト2006公式サイト
http://misskeio2006.campuscity.jp/

取材 後藤覚・直江利樹



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