フリーペーパー特集 第一弾!「Alpha+」
キャンパスで何気なく配られるフリーペーパー。「興味があったら受け取る」「ゴミになるから受け取らない」「なんとなくだけど受け取る」「なんとなくだけど受け取らない」など「受け取り方」はそれぞれ。しかし、大学生活を送っていて「見たこと無い」という人はいないはずだ。
今回はそんな身近な大学生活の読み物である、様々なフリーペーパー発行サークルを特集していく。
記念すべき初回は、二つのフリーペーパーを発行している「Alpha+」の代表にして創設者である米田吉宏さん(経済4年)にお話を伺った。
■Alpha+
―はじめまして。早速ですが、「Alpha+」さんはどのようなフリーペーパーを発行しているのですか?
一つはサークル名と同じ『Alpha+』、これがメインになりますね。もう一つは今年の春に創刊したばかりの『Motel』というものです。これは慶應生の「恋愛」に特化したフリーペーパーです。今後は『Alpha+』に併合されるかもしれません。ただし、『Alpha+』の発行数を増加させていくので、今後みなさんに見ていただく機会は増えると思います。
―『Alpha+』がメインということですが、こちらはどのようなフリーペーパーなのですか?
コンセプトは「大学生(慶應生)に新しい価値観を与える」です。慶應生って結構目線を上に持ってると思うんですよね。「俺は慶應生だから・・・」って感じで。でも、いざ社会に出てみると何も分からなかったりする。だから、「世の中にはこんなこともあるけど大丈夫?」「他の人はこんなこともしてるけど大丈夫?」みたいに、言い換えれば、危機感を与えて刺激したい思っています。
■フリーペーパー制作の現場
―なるほど。それではなぜ米田さんはこのフリーペーパーを作ろうと思ったのですか?
僕がこのサークルを立ち上げたのは2年生の11月でした。もともとデザインとかをするのが好きだったというのが大きいですね。自分のデザインやコンセプトの表現の場が欲しかったというのがありますね。
あと、他の団体のフリーペーパーが似たりよったりだったということがあります。ポップで、親しみやすい記事が多い。そういったフリーペーパーではなく、スタイリッシュなフリーペーパーがあってもよいのではないかと思っていました。
―ところで、フリーペーパーの制作の現場ってどうなってるんですか?
うちの場合、全員が仕事の中核である「制作・編集」には携わるのですが、それプラス「クリエイティブ」「配布」「営業」の三つの仕事があり、そのいずれかに属すことになっています。
―それぞれどのような仕事をしているのですか?
「クリエイティブ」は文字通りデザイン等を担当します。
次に「配布」なのですが、せっかく一生懸命作ったのに手に取って貰えなかったら意味が無い、だから一人でも多くの人に受け取っていただけるよう工夫をしています。キャンパスに立って粘り強く配るのはもちろん、美容院や飲食店などへの店頭配布やサークル間の交流を深めて定期配布したりと「安定」して多くを受け取っていただけるように努力しています。
最後に「営業」なのですが、これが一番難しい仕事かもしれませんね。フリーペーパーって自分たちの好きなことだけを書いていれば楽なんですけど、企業広告や最近増えてきた「企業とのタイアップ記事」を書くということになるとそれなりの質が求められます。中でも重要なのが「マーケティングリサーチ」です。「大学生はこんなものを好む傾向がある。」とか「今大学生に受けている商品はこれだ。」とかを客観的・数量的データに基づいて提示しなければならない。あとは誠意をもって、礼儀正しくクライアント企業に「営業」することですね。今までに無印良品さんなどとタイアップしてきました。
―フリーペーパーって大変ですね(汗)。それではこういう苦労が報われる時っていつですか?
「外」と「内」という、嬉しさにも二種類あると思うのですが、前者に関してはやっぱり受け取って貰えた時ですかね。あとは、友達とか身近な人に「良かったよ」と褒めてもらえた時、単純ですがこれに尽きますね。後者に関しては仲間と一丸になって作品を作り上げた時の「達成感」、「みんなでやったんだ」っていう喜びですね。それと先ほど言ったような、大変なプロセスも楽しみのうちですね。
■結果は後から付いてくる
―ありがとうございました。ところで、米田さんは就職活動を終えられたそうですが、何かフリーペーパーでの経験が役に立ちましたか?
そうですねー。直接的にはあまりないかもしれませんけど、このサークルを作ったこと自体はかなりプラスになったと思います。というのも、うちのサークルでも常に言っていることなのですが、大学生って「上からの指示を待ってそれに従う」のではなく「自分で考え行動する」ことが求められていると思うんですよね。大学生って自由じゃないですか。そのわりに、責任って、もちろんあると思うんですけど、自由ほど大きくないと思うんですよね。その意味では大学生活4年間、自分で考えていろいろやってきた人たちは、多分、就職活動においても何かしらの結果を得られていると思います。僕はインターン先で「課」を立ち上げたり、こういうフリーパーパー発行団体を作ったり、他にも本当にいろいろやってきましたね。
―結果は後から付いてくるということですか。米田さんは大手広告代理店から内定をいただいているそうですが、今後のビジョンなどがあれば教えていただけませんか?
僕自身が全然広告向きの人間じゃないことは自他ともに認めるところなんで、周りからは反対されました(笑)。ただ、僕の場合、もともと「戦略」を考えるのが好きなので、そういったスキルを生かせるのではないかと思っています。
あと、フリーペーパーでもArt Directorを担っているので、もともとデザインが好きだったというのはあります。ただ、内定先ではキャッチコピーを作ったりする広告のいわゆる花形の部分じゃなくて、消費者の行動を数量的に分析して未来を予言するような、どちらかと言うとマーケティング的な仕事で活躍していきたいですね。クリエイティブの質を高めるような論理を考えていきたいと思います。
それと、このサークルに対しては社会人になってもコミットしていきたいと思っています。自分で立ち上げたということもあって愛着があるので、なくなっちゃったら寂しいじゃないですか。広告業界にいたら、このサークルに対してもいろいろ手助けできると思いますし、そのための努力は、いつまでも惜しまないつもりです。
―最後に、サークルとしての「Alpha+」について教えてください。
少人数なので比較的ユルいですね(笑)。この間も合宿に行ってきたのですが、まったりと足湯につかったりしていました。まだ出来て間もないサークルですし、1年生の4月ってうちみたいに「自分に投資できるサークル」ってあんま魅力を感じないと思うんですよね。最初はどうしてもテニサーとか飲みサーとか楽しそうなところで遊びたいものなので。だから2年からとか4年からとか途中から入ってくる人も多いですよ。
でも、やるときはやります。週1回の会議では、みんなマジですし、やりがいがあるだけあって、忙しいです。一つだけ言えることは、参加してくれたら「自分<あなた>の成長には協力します。」ということです。と言っても、さっき言ったように自分で考え行動してもらうので、放任なんですけどね(笑)。
ただ、ここで伝えたいのは自分で考えて行動することの大事さです。多くの人は、自分の考えを前面に押し出すことに慣れていません。「Alpha+」に在籍する価値を、あるいは将来仕事する上で、自分がそこに存在する価値をどこで担保するか考えてほしい。みんな同じような考え方をしていては、ロボットと変わらない。自分のやりたいことを考えて、情熱を持って人に伝える。これこそが一番重要だと思います。だから「Alpha+」でも、それを一番重要視しています。学年・役職に関わらず、やりたくないことはやらなくていい。やりたいことはやりたいと言わなければいけない。でも、そのときに人を納得させる必要があります。これを学んで、大きく成長してほしいと思っています。