慶應キャンパス特集~丸の内シティキャンパスの謎に迫る!~
塾生の主なキャンパスと言えば、日吉・三田・矢上・信濃町・SFCといったところだろう。しかし、慶応義塾にはこれらの他にも様々なキャンパスが存在することをご存知だろうか。
今回、慶應ジャーナルが紹介するのは「丸の内シティキャンパス」。丸の内と聞いてイメージするものは、東京駅、丸ビル、数々のブランド店…と様々だが、どれもキャンパスとは結びつかない。そんな丸の内シティキャンパスの実態とは…?
都心に「そびえ立つ」隠れたキャンパスの謎を探ってみた。
慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)は慶應義塾の社会人教育機関である。東京・丸の内の三菱ビル10階にキャンパスを構え、年間17,000人以上のビジネスパーソンが学んでいる。
キャンパスとは言ってもそこは社会人教育機関。入学試験などはなく、誰もが気軽に利用できる施設のようだ。
今回の取材では、慶應丸の内シティキャンパス広報担当兼ラーニングファシリテーターの今井朋子さんにお話を伺った。
■異文化交流の場
―講義内容を教えてください。
経営戦略、マーケティング、アカウンティング・ファイナンス、人材マネジメント、キャリア形成、思考法・コミュニケーション、政治・経済・文化・教養の7分野に分けて、知的基盤能力プログラムと先端・専門プログラムという2つのカテゴリーで講座を開設しています。知的基盤能力プログラムは、経営者だけではなく、職種・年代を問わずビジネスに関わる全ての人にとって知的基盤となる講義、先端・専門プログラムは専門性を深めるための講義を行っています。好きな講座を選択して、1講座から申し込んで受講していただけます。
個人よりも企業で派遣されるケースが多いと思われるテーマについては昼に開講しています。逆に個人でいらっしゃる方向けの講座は夜間に実施しています。
―講師はどんな方ですか?
専任講師が1名いるほか、大学の教授やコンサルティングの方など、教えることを本業としている方が主になります。ゲスト講師として企業の経営者や現場の方に来ていただくこともありますね。
30代後半~40代後半の方が多いです。マネージャー職から管理職の方が多いように思います。でも受講資格などは全くないので20代から60代までいらっしゃいますよ。
だいたい1~2週間に1回で、1講義が3時間です。基本的に3時間×6回で1つのプログラムになっています。間にグループワークを挟むこともあります。みなさん本業をお持ちなのでそのくらいのペースをお勧めしています。
大学のように期日があって課題を出さなくてはならないというときは、みなさん集まってワイワイやっていますね(笑)。業種も職種も違う人たちが集まって同じ目標に向かって課題を制作するので、異業種交流が出来るというメリットがあります。業界もポジションも全く異なる人と接することで新しい発見が生まれたりしますね。その分「常識」の相違で大変なこともありますが(笑)。
■細やかなサポートを
基本的に20~25人のクラスで、ゼミのような雰囲気です。定員は最大でも30人で、少人数でのやりとりを重視しています。講師以外にラーニングファシリテーターというスタッフが各講義に付いて受講生をサポートしています。
―ラーニングファシリテーターとは?
講義のアシスタントや、講義以外の面での受講生へのフォローを行うスタッフです。講義が終わっても後々までお付き合いしていくことが多く、受講生にとっての「担当」のようなイメージですね。手厚いフォローやサポートのきめ細やかさを褒めていただくこともあります。私もひとつ担当している講義があって、おすすめの講座をアドバイスしたりしていますよ。
―プログラムの企画・開発はどのように行っているんですか?興味深いテーマを取り上げていらっしゃる先生がいらした場合に、その先生をお呼びして講座を開設する、ということがあります。あとは全体のバランスを考慮して講座を増やしたりしています。受講生からの希望を取り入れることもありますよ。また、ラーニングファシリテーターが企画・開発にも関わっていて、受講生の講義への反応などを見て提案を行っているので講座内容は常にマイナーチェンジしています。
オープンキャンパスという形ではないですが、個別の相談会があります。ひとつの講座についての詳しい解説はもちろん、ゼロからの学習相談も行っています。企業から研修体系について相談を受けることもありますよ。要望があるとこちらから足を運んで相談を行っています。
■あえて今、学ぶ
―慶應丸の内シティキャンパスの意義についてはどうお考えですか?
社会に出て何年か実体験で学んでいると、臨機応変に仕事をこなしてはいるものの、果たして全体像が見えているんだろうか、と感じる瞬間というのは多くの方が持つものだと思うんです。そういったときにこのキャンパスを利用していただければ有難いですね。一個人の出来る体験は全てではないと考えると、学問として全体像を学んでみることも大切ではないでしょうか。
―「慶應」の機関であることにメリットはありますか?
「慶應」という言葉の信頼感やブランド力には絶大なものがありますね。ここまで愛される学校もめずらしいと思います。あと、受講生には塾員の方も多くいらっしゃいますね。
―ビジネスパーソン向けの教育機関というと文系の方ばかりのように思うのですが…。
理系の方もいらっしゃいますよ。講師の中にも工学系の方がいらっしゃいますし、理系の考え方が活かされる場もたくさんあります。例えば人事にはシステムを作り上げる業務もあって、そこでは理工学的な発想が役に立ちますね。学んだ学問は直接ではなくとも考え方や作業手順、人付き合いなど様々なところに生きてくると思います。![]()
―丸の内という立地にはどんな意味があるんですか?
ビジネスパーソンが多いエリアなので、気軽に利用していただける場所の良さも大きなアピールポイントです。忙しい方が多いので、普段の仕事から少し視点をずらして全く違う空間に来ていただくことでリフレッシュになったり、何か新しい発見をしていただくことを期待してこのエリアに開設しているということもあります。また、目の前が東京駅なので、群馬や名古屋などからも新幹線1本で来られるという利点があります。
―学生が利用できる講座はありますか?
「夕学(せきがく)五十講」という講演会がおすすめです。大教室での講演会スタイルで、年間50回、各分野の第一線で活躍されている方が講演にいらっしゃいます。企業のトップの方から直にお話を聞ける機会はなかなかないと思うので、興味があれば学生さんにもぜひ利用していただきたいですね。
―ありがとうございました。
仕事の後にここまで足を運んでさらに勉強しようという受講生の姿勢に触発されることが多くある、という今井さんの言葉が印象的であった。
新しい知識を求める貪欲な姿勢がお互いを高めあい、それが成功につながるのだろう。
都心の中に存在する洗練された異空間は、意識の高い人々が集う異種交流の場であった。
学校を卒業しても学ぶことに終わりはない。これから社会に出ていく塾生も、ふと根本に立ち返ったときに利用してみてはいかがだろうか。
■関連リンク
慶應丸の内シティキャンパス http://www.keiomcc.com/
夕学(せきがく)五十講 http://www.sekigaku.net/

