この夏、ビジネスコンテストに挑戦してみませんか
ビジネスコンテストという言葉をインターネット検索サイトで検索してみると、何千件に至る関連ページがヒットする。多額の賞金をかけた企業によるビジネスコンテストがあれば、自治体によるビジネスコンテストもある。その対象や目的もとても様々なもので、日本だけではなく世界単位で開かれるビジネスコンテストもある。このようにビジネスコンテストが活発に開かれている中、長い歴史を持つ学生シンクタンクWAAVはKINGとOVALという二つの「学生のためのビジネスコンテスト」を毎年開催している。彼らは何故ビジネスコンテストという手段を選び、大学生に何を伝えようとしているのか。現在OVALとKINGで活躍している二人の塾生、大倉佳晃さん(OVAL BEIJING実行委員長、法学部法律学科2年)と稲田武夫さん(KING2005副実行委員長、経済学部2年)にお話を伺った。
■学生シンクタンクWAAV
http://www.waav.org/
■KINGとOVALという二つのビジネスコンテスト
歴史のある学生団体としてその名を知られるWAAVは、ビジネス・政策・国際交流などをキーワードに様々な企画を開催している。その中で「ビジネスコンテスト」という共通点を持つのがOVALとKINGの二つの企画。同じ団体から生み出された企画ではあるが、その目的はかなり違うものである。
「OVALとは、日韓中の大学生・院生を対象にしたビジネスコンテストで、去年の2月に第一回目のコンテストを開催しました。グローバル化が進んでいる中、国際交流を目標とする活動や行事が数多くあると思いますが、国境を越えた本当の国際交流を体験出来る場がとても少ない現状でもあります。その中で東アジアの大学生や大学院生たちに本気でぶつかり合える機会を提供したいという思いから始まったのがOVALです。(大倉さん―以下敬称略―)」
「今年でちょうど10年目を迎えるKINGは学生が企画、運営するビジネスコンテストとしては日本最大規模のもので、日本全国の学生を対象にしています。「学生と社会の乖離を埋める事」をキーワードに、企画自体は各代の委員会がコンセプトから作り上げていきますが、今のところ毎年ビジネスコンテストを開催しています。(稲田さん―以下敬称略―)」
■「ビジネスコンテスト」が目標ではない

▲KING2005副実行委員長・稲田武夫さん(経2)
このようにKINGとOVALは対象とする学生やその目的が異なるビジネスコンテストであるが、形式面では「合宿」という共通点を見せる。そこに何かのこだわりがあるのか。
「一般的なビジネスプランコンテストでは、考案したプランを提出して、書類選考、プレゼンテーションを経て…という形が多いと思いますが、KINGとOVALは合宿という形式をとっています。何故かと申しますと、我々は初対面の学生と約一週間、寝食を共にし、常に話し合ったり議論をしたりする環境の中での、プラン策定の過程を最も大切と考えているからです。一生を通じてもKING,OVALでしか得られない貴重な体験であると自負しています。(稲田)」
過程を大切にする…。我々が普段考える「ビジネス」は何より結果を大事にしている物であって、特にコンテストとなると、優勝という結果を出すのがみんなの目標である。結果より過程を重視するビジネスコンテストは、あり得るのか。
「はっきり言うと、確かに我々がやっている事はビジネスコンテストですが、それ自体が目標ではありません。我々の目標を達成するためのツールとして一番適していると思ったのがビジネスコンテストであったというだけですね。(大倉)」
それでは、彼らがビジネスコンテスト開催を決めた本当の理由はなんだろうか。
「我々もまだ学生なので、見えない部分が多いですが、ビジネスの世界はしっかりとしたモノしか生き残れない厳しい世界だと思います。KING2005は「学生が自分の考えを発信する」というビジョンを持っていますが、実際発信に至るまでには、自分の問題意識をはっきりする事とその問題を解決しようという意欲を維持する事から始まって、解決策を考え、それを形にしていくという段階があると思います。そこで、人を巻き込めるかどうか、自分の考えが生き残れるかどうかは、この過程がどれだけしっかりしているかにかかっています。その意味で、ビジネスというツールは自分の考えを発信する事に良い評価基準になると思って採用しています。自ら問題意識を持ち、それを解決するためにしっかりした過程を作っていく。これが、我々がビジネスコンテストを通じて学生に意識してもらいたいモノでもあります。(稲田)」
「ビジネスの媒体としての価値はOVALもKINGと同じです。ただ、OVALの場合、日韓中の三カ国の学生が参加するという事で、三国の学生にうわべだけではない国際交流をしてほしいという事が加わると思います。今でも論争が耐えない政治や歴史問題はやはりどうしても各国が譲れない部分があるだろうし、感情的になりがちなところだと思います。しかし、ビジネスは「利益を出す」というクリアーな一つの目標を向かっている中性的な媒体であるので、その中で本当の意味での国際交流が出来ると思います。(大倉)」
ビジネスコンテストでありながら、ビジネスではないモノを目的に置く事は運営側としては難しい事ではないかと思ったが、二人の説明はとても明確で自信に溢れていた。はっきりした目標を持っているからこそ、そういう答えが出来たのだろう。こんなスタッフが運営するビジネスコンテストであれば、経験してみる価値が大きいのではないか。
■ビジネスコンテストをきっかけに成長してほしい

▲OVAL BEIJING実行委員長・大倉佳晃さん(法法2)
ビジネスコンテストに参加しようとする人は多い。そして、この記事を読んでビジネスコンテストに参加しようと思う人もいるだろう。その理由は人それぞれで、参加して得たいと思っている事ももちろん様々だと思うが、スタッフとしては彼たちなりの「これだけは得てほしい」と思う部分があるだろう。
「我々が開くビジネスコンテストは、学生が何かに問題を感じたら、そこで不満を漠然としたまま風化するのではなく、自分の考えをしっかりとした形にし、問題解決のためのプロセスを探せる人間に成長出来るきっかけを提供する場だと思います。今では学生団体やNPOが次々と現れ、学生から社会へのアプローチも多くなっていますが、まだまだその数も少なく、それが意味のあるモノとして残る場合も少ないと思います。そこで、KING2005に参加した多くの学生が社会に対してもっと積極的に自分のメッセージを発信するようになってほしいです。(稲田)」
「OVALは日韓中の三カ国の学生が参加するし、KINGは日本全国の120人の学生が参加します。そういう全く違うバックグラウンド持つ人々と約一週間同じ目標を向かって協力し合うという事は、OVALやKINGのようなビジネスコンテストじゃないと、中々経験出来ない事だと思います。もちろん価値観や思考プロセスが全く違う人たちとチームを組むという事は、楽しいというよりつらい事が多いかもしれません。しかし、その中で得られる物は他では決して得られない特別で有意義な物であると思います。(大倉)」
結果より過程が大事な分、その過程の中で得られる物を大事にしてほしいという二人。その上に、ビジネスコンテストへの参加だけで終わるのではなく、コンテストをきっかけにもっと広い世界への挑戦を踏み出してほしいと語った。
■選考課題に正解はありません

KINGやOVALに参加するためには、選考課題を提出しなければならない。選考課題と言われれば、少し難しい印象を受ける人もいるかもしれないが、実際は誰にでも出来る物だそうだ。
「選考課題と言っても、そこまで難しい事ではありません。ビジネスに関するスキルや知識が多少足りなくても、書けるような問題になっています。それに、正解がない問題なので、自由に自分の考えをまとめて下さればいいと思います。(稲田)」
しかし、そこに必要条件としてなくてはならない物があれば、それは参加者自身の意欲と興味。
「OVALに参加する中韓の学生は、北京大学やソウル大学の学生を中心に構成されています。各国のトップレベルの大学であるため、ある程度予想はしていましたが、前回のOVALを経験して、韓国と中国の大学生たちの高い語学能力・プレゼンテーション能力・思考力・論理力に本当に驚きました。彼たちがそこまで出来たのは、常に何かに興味持ち、自分を磨いた結果だと思います。それで、日本からも、彼らに挑戦してみたいという意欲の溢れる方々に参加してほしいということが、OVALとしての希望ですね。(大倉)」
「どんなにみんなが面白いと感じる事でも、自分自身が興味を持たなかったらそれはあまり意味のない事だと思います。このインタビューで我々が言ってきた事を聞き少しでも興味を持てば是非応募してほしいです。(稲田)」
この夏、ビジネスコンテストに挑戦してみませんか。きっとあなたが想像するより色んな人と出会い、新しい経験が出来るだろう。
●学生のための国際ビジネスコンテストOVAL
http://www.oval-official.org/jp/
選考課題応募締め切り:6月26日(日)
応募ページ:http://www.oval-official.org/jp/selection.htm
*第一次選考を通過した90名には、元ゴールドマンサックス証券ヴァイスプレジデント村沢義久様やベイン・アンド・カンパニーのコンサルタント木村敏晴様や奥野慎太郎様によるビジネス講習会を受講する資格が与えられます。
●学生のためのビジネスコンテストKING
http://www.waav.org/king/
選考課題応募締め切り:7月9日(土)
応募ページ:http://www.waav.org/king/entry.html
事前説明会(事前申し込み必要・参加無料)
*東京国立オリンピック記念青少年総合センター6月24日(金)
(株式会社ガイアックス 代表取締役 上田祐司様の講演&
株式会社ジョブウェブ 代表取締役 佐藤孝治様との対談)
*東京国立オリンピック記念青少年総合センター6月26日(日)
(有限会社 ハッピーバースデー CEO 生田知久様の講演)
*福岡九州大学六本松地区21世紀交流プラザ、7月2日(土)
(株式会社ショブウェブ 代表取締役 佐藤孝治様の講演)